高校入試における重要な戦略「配点と時間配分」~7割の点数は、半分の時間で取れる~

高校入試の配点と時間配分

高校入試問題の配点

公立高校入試では、試験の性質上、問題の構成、出題形式、配点、時間配分など基本的には全国である程度統一された形となっています。全国で同様の学習指導要領に基づき中学生活で勉強するのですから、当然と言えば当然ですよね?

問題の構成や配点などがある程度決まっているため、試験に向かうにあたっては、得点についての戦略を非常に立てやすくなっています。しかし、学校ではあまりそういったことは教えてくれないため、ほぼ無策で全般的な受験勉強を強いられることが多いです。

私も家庭教師をしていた際にも、ほとんどの生徒が無策でテストに臨んでいることが多く、そのため「時間が足りなかった」、「最後まで解けなかった」、「見直す時間が無く、ケアレスミスを見逃してしまった」などのような、非常にもったいない事態が度々起きてしまいます。

しっかり、戦略を練って試験に臨めば、よっぽどのことが無い限り、上記のようなことは起きません。もちろん、シンプルに勉強不足というのは話になりませんが。

具体的な事例(R4東京都の数学より)

では配点について、具体的な事例を少し見てみましょう!

以下のリンクは、R4年度の東京都の数学の問題になります(東京都で公表している過去問)。

https://www.kyoiku.metro.tokyo.lg.jp/admission/high_school/ability_test/problem_and_answer/files/release20220221_05/02_mondai.pdf

同じページに掲載されている問題の正答を見ると、配点は以下のとおりとなります。

配点合計(配点の範囲)問題数
大問1    46点(5~6点)9      
大問212点(5~7点)
大問315点(5点)
大問417点(5~7点)
大問510点(5点)

ちなみに、ざっと大問1を実際に今やってみた所、私の場合は8分ほどで解けました(約5年ぶりに高校入試問題を解きましたが)。今回の東京都の数学の大問1は、かなり基本的で解きやすい問題が多い印象でしたが、8分で46点の点数を確保できました。制限時間50分の内の8分です。

計算の早い現役生はもっと早いと思います。数学の大問1は、どの都道府県でも基本的な学力に関する問題です。ここを集中して解くだけで4割以上の得点が可能です。

きちんと練習していれば、時間も10分~15分あれば足りると思います。配点もほぼ5点問題が多く、一番配点の高い証明問題の7点とたった2点しか差がありません。何となく、戦略が見えて来ませんか?

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どの問題を解いて目標点を確保するか?

公立高校の目標点の目安(個人的な見解)

さて、それではどの問題を解いて目標点を確保するかですが、これは当然目指す高校の難易度によって変わってきます。

学校の先生が示す得点目安は、だいたい以下のような感じではないかと思います。(その地区によってかなり違いはあります)

・トップクラスの進学校・・・総得点420点以上(各科目平均84点以上)

・普通の進学校・・・総得点350~400点(各科目平均70点~80点)

・普通高校・・・総得点250~350点(各科目平均50点~70点

ただ、今は少子化によって、各学校の競争率もかなり低くなっており、学校の先生がすすめるよりも、実際のボーダーは、かなり低くなっています。これも私の感覚で申し訳ないですが、学校の先生が示すよりもボーダーとしては総得点で30~50点くらい低くても合格は可能と思います。

トップクラスの進学校

トップクラスの進学校を目指す生徒については、基本的には得意教科は満点を狙う気持ちが必要です。つまり、得意な教科では全問回答が必要です。

ただ、苦手な科目については、時間を過剰に消費してしまうような難問に一生懸命取り組むのはやめましょう!むしろ、難問の一歩手前くらいの正答率が70~80%程度の問題を完璧に解けるような勉強方法をするべきです。満点が90点だと思って、90点取れるように勉強した方が良いと考えます。

私であれば、正答率が低い、又はかなりの時間を消費してしまうような難問は、全ての見直しが完璧に終わってから、部分点が取れるものは部分点狙いくらいに考えておけば良いと思います。

普通の進学校

配点と時間配分を一番気にしなければならないのが、この「普通の進学校」を目指す生徒たちです。

例えば、先ほどの東京都の数学の問題をもう一度見てみると、時間がかかりそうな証明問題とやや難易度が高い問題を除いても大体7割くらいは得点可能です。必要な時間は、25~30分程度と思います。数学が得意な人であれば、20分で出来る子もいると思います。

具体的には、証明問題2問と大問3(問3)、大問4(問3)、大問5(問2)の点数を除きました。

要は、7割の得点が、制限時間50分の内の半分程度の時間があれば取れるということになります。

ちなみに、上記で除いている証明問題は、基本的な問題に属するレベルです。型さえきちんと勉強しておけば、完答は可能ですし、少なくとも3~4点の部分点は問題なく取れると思います。

あとは、難問の中にも自分が得意としている問題があったりします。そこで得点を上積み出来れば、8割以上の得点が見えてくるため、かなり合格点に余裕が出て来ます。

今回は、数学について例示しましたが、基本的には、文系科目の記述問題、理科の計算問題、記述問題も同様の考え方です。国語と英語はもう少し時間はかかりますが、30~35分あれば問題なく7割は確保できるとお思います。(英語のリスニングはちょっと別に練習が必要ですが。)

普通高校

進学校ではない普通高校や工業高校などの場合、倍率が高い学科などを除けば、おおむね総得点が250~350点くらいが目標とする点数になると思います。

つまり、1科目平均で50~70点、ボーダーとしては、50(40)~60点を目標にすれば良いことになります。

先ほどの東京都数学の事例を見てみると、ほぼ大問1に注力して、大問1の完全回答+難易度の低い問題を回答出来れば、60点以上は見えてくると思います。

もちろん、勉強が苦手な子も多く、家庭教師をお願いされるパターンも多いゾーンになると思います。

勉強が苦手な子ほど、基本的な問題に注力することで、時間に余裕を持たせて、気持ちに余裕を持たせて、完璧に見直しをするようにすることが合格への近道となります。

また、部活動を頑張っていた子も多いと思いますので、勉強時間を十分確保できていなかった場合もあると思います。なので、難問を解けるようにするような時間は取らず、基本問題を確実に解けるようにする時間に注力するべきです。

高校受験には無料で入手できる「入試過去問」が絶対おすすめ!

最後になりますが、高校入試を突破するために、「どのレベルの問題をどの程度の時間で解けるようになれば良いか?」を早い段階で押さえておくことで、効率的な受験勉強の計画を立てることが出来るようになります。

そのために最も最適な勉強教材は、「入試過去問」となります。

本番に近い、問題構成、配点、制限時間で練習を重ねるのが一番理にかなっているとは思いませんか?

ただし、自分が受験する都道府県の「入試過去問」を早い段階で使うことはおすすめしません!

なぜなら、自分が受験する都道府県の過去問は、学校や塾などで直前に使うことが非常に多いからです。一度やったことがある問題を直前の力試しに使ってしまうと、正確な学力を見極めることが困難になってしまいます。

そのため、別の都道府県の入試過去問で練習をするのが、おすすめの勉強方法となります!

以下の記事に、各都道府県で公開されている「入試過去問」のリンク先一覧をまとめてありますので、

是非、ブックマークして受験勉強に活用してください!

※入試過去問を都道府県が直接公開しているリンク先しか掲載していませんので、安心してご活用くださいね。

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